春の使者 ツマキチョウ

 

春本番です。春のチョウの世界は、3月上旬(温暖化が進む最近では2月でもあるかも)の温かい日に、成虫で越冬した種類がでてくることから始まります。これは気温が一定以上になると羽を動かせるようになるからです。そして3月半ばを過ぎて今年になって発生した種類がでてきます。

したがって、今の時期のチョウは成虫で越冬したものと、この春発生したのが混じっています(チョウだけでなく他の昆虫もそうですが)。三貫清水の森で今年になって確認できたのは、越冬組ではキタテハとムラサキシジミ、今春発生組ではアゲハ、モンシロチョウ、スジグロチョウ、モンキチョウ、ルリシジミ、そしてこのツマキチョウです。

ツマキチョウは春の使者です。アゲハやモンシロチョウは夏にピークになり、秋になっても発生を続けるのですが、このツマキチョウがいるのはせいぜい5月の上旬くらいまで。盛夏には絶対に姿を見ることができません。私のようなチョウマニアは桜の開花以上に、このチョウとの出会いで春を感じ、このチョウが見えなくなると夏になったことを認識します。

羽の先がカギ型にとがっているのと、オスはこの部分が黄色くなっているのがこのチョウのチャームポイントです。フワフワゆっくり飛ぶくせに、意外と静止することが少ないのでじっくり姿を確認することが難しいのですが、しばらくの間このチョウの可憐な姿に注意してみてください。

2006/4/1 馬場一秋