オスは「匂い」で勝負 スジグロチョウ

 

これはスジグロチョウ(別名スジグロシロチョウ)といいます。街でよくみかける中型の白いチョウは、3種類が考えられます。日本のチョウの代表のようなモンシロチョウの可能性が45%、同じ確率でこのスジグロチョウ。残り10%はというと、モンキチョウのメスです(モンキチョウのメスは白いのです)。近づけばわかりますが、5m以上先を飛翔している状態では、この3者はまず区別できません。三貫清水の森に限ると、モンシロチョウよりこのスジグロチョウの方がたくさんいるようです。鴨川の方に行くと、近くのキャベツ畑のせいかモンシロチョウが多くなります。

このチョウのオスには、独特のレモンのような「匂い」があります。「レモンのような」というのは私の主観ですが、レモンに例えたように結構よい匂いと感じています。しかし、「変な匂い」という人も中にはいます。この匂いの元は粉にあって発香鱗と呼ばれます。発香鱗を持つチョウは結構いますが、スジグロチョウの匂いは非常に強く、捕獲しなくても近くに寄ればわかるほどです。

この匂いはオスがメスを誘う時に使用するのだそうで、メスの周囲をホバリングしなからこの匂いを送ってさそいます。スジグロチョウは、メスが交尾済みの(あるいはそのオスが気に入らない?)場合、尻を30度くらいに上げる「交尾拒否」の姿勢をとります。しかし、一度拒否されてもオスはすぐにはあきらめず、思いをとげようと頑張ります。こういうことを調べていくと、いつも結論は同じになりますが、「生物のオスというのは純情で一途」ということです。面白いことに、最近の研究でオスがしつこく求愛すると、誠意を理解してくれるのか再交尾(すなわち不倫?)するメスがいることがわかったそうです。但し、わが身に置き換えると、オスとしては良し悪しで、複雑な心境になりますね!?

ところで、スジグロチョウは間違ってモンシロチョウと交尾してしまうことはないのでしょうか?一度だけですが、交尾している白いチョウを捕獲したらモンシロチョウとスジグロチョウだったことがあります。こんな情報お持ちの方おいででしたら、教えてください。

 

2005/12/17 馬場一秋