大雨の時の鴨川

 

米国で、ハリケーン「カトリーナ」が大きな被害をあたえました。また、わが国でも上陸する台風が増加しています(埼玉県は大きな被害はないですが)。近年、アジアでもアメリカでも勢力の強い台風が増えていますが、これは海水の水温上昇が要因という主張をする研究者が多いようです。

今回は昆虫の話ではなく、大雨の時の鴨川を紹介します。上の写真は普通の時(平成16年11月)。それに対して、下の写真は平成15年8月の台風10号の際の鴨川です。いずれも、山の下橋から上流を見たものです。

私は、台風直後の河川の流れを見るのが好きという変な嗜好があって、30年ほど前多摩川が決壊したときも、大学の近くだったこともあって教授といっしょに見に行きました。決壊までいくと大変ですが、普段はグラウンドなどになっているところまで川幅が広がって、流れが渦巻いているのを見ているのが何故か快感です。ちなみに専門用語では、普段川の流れている部分を低水敷、ゴルフ場やグラウンドになっている部分を高水敷といいます。鴨川でははっきり区別できない部分も多いですが、下の写真ではほぼ高水敷まで川幅が広がっています。荒川などでは最近、高水敷まで広がった洪水は発生していないようですが、ちょっと物足りないというのが本音です。土木屋としては不謹慎な発言ですが、構造物の基礎を研究している人で、地震が楽しみなんて書いている人もいますので許してください。

20年くらい前は、結構鴨川が氾濫して、現在の宮前小学校のあたりがよく水につかったようです。平成に入ってからは、治水施設が整備されて、平成8年から大きな浸水被害は発生していないようです。しかしご覧のように、この写真の時はあと2mほど水位が上がれば氾濫していましたね。この5,6年では最も水位があがった状況と思われます。

記録によるとこの時の台風10号というのは、北陸から北海道まで全国的にかなり大きな被害を与えた台風だったようです

 

 

2005/10/2 馬場一秋