ハンティング中! クロアナバチ

 

前回に引き続き狩人蜂です。ハンティング中の写真を撮ることができました。自分の体よりはるかに大きいバッタ(クサキリと思われます)を捕らえた瞬間です。

蜂の名前はクロアナバチといいます。狩人蜂は夏の終わり頃から秋口にかけて、子孫を残すためのハンティングを本格的に開始します。獲物は必ずしも1匹だけではなく、小さい場合は、数匹捕獲して子供のために備えるそうです。これを地面に掘った穴の中に運び、卵を産み付けて穴にフタをします。

前回も書きましたが、クサキリは死んでいるのではなく、麻痺しているだけ。幼虫は「生きている」新鮮なエサを食べて成長し、翌年の春成虫になって巣立っていくわけです。

昆虫の戦いは壮絶です。三貫清水の森の昆虫たちも、アフリカのジャングルさながらの、弱肉強食の戦いを毎日繰り返しているのです。獲物になっている方はかわいそうですが、狩人蜂としては種を維持していくための当然の行動であり、自然界の持つ厳しい側面の一つです。本当の自然とはクロアナバチがクサキリを幼虫のエサにするのが正しい姿であり、その自然を保護するというのは、どういうことなのかということを考えさせてくれる瞬間です。昆虫好きな人間にとっては、昆虫から「生物」としての自分を再確認させてくれるようなシーンです。

これからもこんな決定的瞬間に遭遇できればと考えています。今回の汚点は写真。完全静止してくれなかったせいもありますが、テクニック未熟のためピンボケ。もっと腕をみがきます。

 2005/8/27 馬場一秋