真打 アゲハが登場

蝶の中で最も大きいアゲハチョウ科の代表、「アゲハ」が登場しました。やはり大きい蝶はスター、真打の登場という感じです。今のところ春型で、夏型よりはかなり小ぶりですが、それでも他の蝶を圧倒する大きさです。飛ぶ姿も素早く堂々としています。

この蝶は正式な名前が「アゲハ」(別名ナミアゲハ)で、「アゲハチョウ」と「チョウ」は付きません。実は私も「モンシロチョウ」とか「モンキチョウ」とか正式な名前で「チョウ」と付いているものが多いので、この蝶も「アゲハチョウ」というのだと思っていたのですが、これを書くために図鑑をチェックしてみたら「アゲハ」とあってびっくりしました。他にクロアゲハ、ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、カラスアゲハなどがいますが、この仲間をアゲハチョウ科と分類しています。

私は大きな夏型より、この小さな春型のほうが好きです。小学校2年から昆虫採集を始めましたが初めの年は採集できず、3年になってやっとあこがれのアゲハの春型を採集しました。捕虫網に入った時のバサバサという他のチョウにはない音を聞いたとき、しびれたことを思い出します。標本にして友人や家族に、「きれいでしょう」と自慢していたのですが、ある日標本箱を落としてしまい、せっかくの標本を壊してしまいました。時はすでに夏、もう春型はいません。これを採集するには翌年の春まで待たねばなりません。1年弱待てば良いのですが、小学生の私には無限の時間を待たねばならないような気がして、何日も落ち込んだことを覚えています。

春型は5月末くらいまでで、6月からは夏型が登場し、10月までその姿を見ることができます。発生期間が短いことも私が春型のファンである理由の一つのようです。飛ぶのが速く、あまりとまらないのでなかなかシャッターチャンスがなく、写真は標本のものを使いました。

 

2004/4/28 馬場一秋