虫たちの冬越し

 

立春は過ぎましたが寒さはこれからが本番。虫たちは成虫、サナギ、幼虫、卵などいろいろな姿で春をまっています。蛾の中にはフユシャクといわれる11月から3月の一番寒い季節に羽化して活動している変わりものがいますが(1種類だけでなく全部で30種類くらいいてフユシャクというのはその総称)、三貫清水の付近では見たことがありません(いるのかもしれませんが)。

3月も中旬を過ぎると温かい日には成虫で越冬した蝶が飛ぶ姿が見られるのですが、2月は石をひっくり返したり、土を掘らないと昆虫の姿をみることはできません。2月のある日、南池近くでこれをやってみました。一番いろいろな生物(昆虫だけではなく)がいたのは倒木の下。写真のようなハサミムシやゴミムシ、ムカデなどがいました。彼らはどっちかというと不気味な種類ですが、久しぶりの生き物との遭遇を楽しみました。

少年時代、冬は日本の国蝶であるオオムラサキの幼虫を探しました。この蝶はかつては武蔵野の蝶といわれるほど、さいたま市内に結構いました(多くはなかったけど)。オオムラサキは幼虫で、落ち葉の裏側にへばりついて越冬し、春が来ると食草であるエノキの木に登りますが、落ち葉をひっくり返すと何百枚に1枚、幼虫がいる葉があります。それを発見した時の喜びは宝くじにあたった気分でしたが、それももうこの付近では味わえなくなってしまいました。オオムラサキも三貫清水に戻ってくれればよいのですが。

2004/2/7 馬場一秋