いつもラブラブ オンブバッタ

 

写真は子供をオンブしているお母さんと思う人も多いのですが、実は雄と雌。上に乗っているのが雄、下の大きいのが雌です。雄は2p、雌は倍の4pくらいです。バッタの中にはイナゴやトノサマバッタなど、雄が雌にのる種類はありますが、オンブバッタは一緒にいる時間が圧倒的に長いのです。いつもラブラブ(?)です。言うまでもなくそれでこの名前になったのです。カマキリのように雄が雌の背中に乗るのは一生に一度交尾の時だけ、というのと比べると本当に幸せな関係のように見えます。

但し、人間にとっては害虫です。農家は勿論ですが、家庭菜園やガーデニングを楽しむ人にも葉や花を食べるにっくき奴です。私の家族は皆スパゲティが好きで、料理に使うバジルを庭に植えていますが、私の目を盗んで食べにくる奴の代表がこのオンブバッタです。近づいても逃げもせず堂々と葉をかじっています。他にもシソとかアップルミントをやられたとかアサガオの花を食われたなど被害の話は多々聞きます。家庭菜園関係のホームページの害虫の欄に主役でよく登場しています。

ところで、これを書くため調べていくうちに2つ大きな疑問にぶち当たりました。まずこの2匹は夫婦なのだろうかということ。夜は一緒にねぐらに帰ってスイートホームで団欒を楽しみ、翌日また同じ相手とバジルやアサガオを食べに出かけるのでしょうか?それとも今日の相手とはその日限り、それぞれ別宅に帰宅、翌日は新しい相手を探すのでしょうか。オンブしているカップルの横にもう一匹雄がいるという状況も時々あります。虎視眈々乗り代わりを狙う奴か、あるいは戦いに敗れた奴か。動物の中にはオシドリのように一生連れそう種もありますが、これは稀。まして昆虫の場合夫婦などという概念はまず考えられません。探偵事務所にオンブバッタの浮気調査を詳しくしてもらわないと実態はわからないようです。

もう一つ、オンブバッタは羽を広げて飛ぶかどうかということです。バッタの中には成虫になっても羽の発達が不十分で、跳ねるだけで飛べないのがいるのですが、りっぱな羽があるのに飛ばない昆虫がいたかな?コオロギの仲間がそうかな?

オンブバッタに近い種類にショウリョウバッタというのがいます。格好はほとんど同じで、体長はオンブバッタの3、4倍ありますが、これは飛びます。特に雄は「キチキチキチ」と音を出して飛ぶのでキチキチバッタと呼ばれる有名なバッタです。

ところが、オンブバッタは極めて動きが少ない。動くものは何でも襲うカマキリが気づかないこともある程で、それだけを見ると確かに飛びそうもない。私の記憶をたどっても、オンブバッタが飛んでいるところをみたことがありません。インターネットで調べると、飛ばないという意見が多いが、羽が長い種類もあってそれは飛ぶという人もいます。わからない!

我が家のバジルを食べに来た奴はどこからどうやって来たのだろう。地をはって来るのだろうか。飛ぶ能力がなければこんなにあちこちにオンブバッタはいないような気もします。

これはひとつ皆さんで調べてみませんか?オンブバッタは11月くらいまでいますから。

2003 9/20 馬場一秋