2012年の観察結果について

2012.09.02  若本孝雄 

 今年のほたるの発生は順調で、観察数は去年に比べ2倍近くになりました。初確認は78日、6月ごろの気温が低かったためか去年より9日ほど遅くなりました。また最後の確認は823日、去年より6日早くなりました。気温の影響だけではないと思いますが、8月に高温が続いたので今年羽化すべきほたるがみんな早く羽化したからではないでしょうか。

 今年は7月から8月を通してほとんど雨が降りませんでした。昨年北池の浚渫をしたのが効いたのか、725日ごろ水位が下がって湿地への水のオーバーフローが止まってからもしばらく干上がることはありませんでした。しかし825日ごろにはすっかり干上がって、29日ごろ北高グラウンドから水の補給をしていただきましたが、北高の貯水槽も水不足で、北池から湿地へオーバーフローするまでに至りませんでした。831日、91日の雨は小量でしたが、北池の水はほぼ満水までに回復しました。

 今年は北池の南循環水路付近のほたる発生が少なく、この水路でほたるが発生しているのかどうかは分かりませんでした。 

三貫清水のほたるの自然発生には、湿地で常時水が移動していることが絶対に必要な条件だと思われます。北池近辺の自然の湧水のほか、北池からの水のオーバーフローも重要な役割を果たしているのではないかと思います。

 そのため北池の水の循環システムと、北高グラウンドから北池への水の補給システムを維持管理することがたいへん重要であると考えます。「三貫清水の会」としては、ほたるの繁殖できる環境を守るためにも、これらのシステムをどう維持するか、今後の課題でしょう。