2001年夏 ホタル観察日記 |
この日記は、当会会員の若本孝雄さんによる、ホタル発生状況の記録です。毎日、およそ午後8時から9時にかけて、三貫清水一帯を観察し、若本さんの目で確認したホタルの数を記録したものです。 なお、若本さんの日記には、ほたるを確認した克明な地図が添えられていますが、ここでは地図を割愛しました。 |
月日 | 時刻 | 天候 | ホタルの数 |
6月17日 | 本日から観察開始 | ||
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7月 4日 | 20時 | 晴 | 2匹(今年初めて発見。去年より増えてほしいものだ) |
今年はホタルの幼虫を放流していないので、出てきたホタルは自然繁殖したものだけである。昨年自然繁殖したと思われるホタルが初めて観察されたのは、7月12日であった。単純計算では今年は8日だけ発生が早いということになる。それだけに今年は、ホタルがもっと増えてほしいと期待しているのである。 (7月4日) |
7月 5日 | 20時 | 晴 | 4匹(十五夜。月食。飛んでいる。野生で元気がいいか) |
7月 6日 | 20時 | 曇 | 1匹(もっと増えると思ったのに残念) |
7月 7日 | 20時 | 曇 | 2匹(七夕) |
7月 8日 | 20時 | 晴 | 6匹(観察者8人ほど) |
7月 9日 | 20時 | 晴 | 7匹(飛び回るのが多くて数がよく分からない。今日から「守る会」のパトロール) |
7月10日 | 20時 | 晴 | 11匹(田んぼのあぜ道は、草が刈りはらわれてマンションの照明で昨年より条件が大変悪くなったが、それでも2匹) |
7月11日 | 20時 | 晴 | 10匹(もう梅雨あけ。一雨ほしいのに。風が強く、アシの根元に多かったが、結構飛ぶのもいた) |
7月12日 | 20時 | 晴 | 10匹(かなり大勢で賑やか。ほっと一安心) |
7月13日 | 20時 | 晴 | 9匹(あぜ道の方で増えた) |
7月14日 | 20時 | 晴 | 11匹 |
7月15日 | 20時 | 晴 | 11匹 |
7月16日 | 21時 | 晴 | 4匹(夜の会合のため時間が遅くなった。そのためか4匹だけ。風が強い) |
7月17日 | 20時 | 曇 | 13匹(ほとんど無風) |
7月18日 | 20時 | 曇 | 10匹(20:30頃から小雨ぎみ。暑さ相変わらず) |
7月19日 | 20時 | 晴 | 8匹(17:00過ぎに雷雨) |
7月20日 | 20時 | 晴 | 22匹(昨日の雨で増えたか) |
7月21日 | 20時 | 晴 | 23匹(結構風があった) |
7月22日 | 20時 | 晴 | 18匹(全く無風。ホタルにはいいのか悪いのか) |
7月23日 | 20時 | 晴 | 20匹(ともかく暑い。全く無風。北側のアカメガシワとタチヤナギの枝に各1匹。どこで繁殖したか) |
7月24日 | 20時 | 晴 | 21匹(子供を含めて十数人で賑やか) |
7月25日 | 20時 | 曇 | 18匹 |
7月26日 | 20時 | 薄曇 | 23匹(少し涼しくなった) |
7月27日 | 20時 | 薄曇 | 23匹(今までほとんど観察していなかった場所で、神田さんが3匹見つけた) |
7月28日 | 20時 | 晴 | 26匹(広げた観察範囲に結構たくさんいることが分かった) |
7月29日 | 20時 | 晴 | 28匹 |
7月30日 | 20時 | 晴 | 37匹(鴨川沿いの道に初めて1匹) |
7月31日 | 20時 | 晴 | 30匹(人家のすぐそばで2匹は初めて。どこで孵化したか分からぬが、結構遠くまで移動するらしい) |
8月 1日 | 20時 | 晴 | 29匹 |
8月 2日 | 20時 | 曇 | 23匹(ともかく一雨ほしい) |
8月 3日 | 20時 | 晴 | 32匹(鴨川沿いに1匹) |
8月 4日 | 20時 | 晴 | 32匹(別所小学校の子供とお母さんで二十数人賑やか) |
ホタルを今年初めて観察してから1カ月たった。私の感じでは、昨年に比べてホタルの数が2倍以上になったと思っている。しかも自然繁殖のものだけだから、すばらしいことだといえよう。今年はこのところ非常に雨が少ない。それにしても、ここ何日かの三貫清水の水の減りようはすさまじい。雨不足以外に、何らかの原因があるのではないかと、大変気がかりである。 (8月4日) |
8月 5日 | >20時 | >晴 | 27匹(両方の池の水位が異常に低下している) |
8月 6日 | 20時 | 晴 | 30匹(別所町の2人が第一池からコイを救出。鴨川へ。ブルーギルもいたそうな) |
8月 7日 | 20時 | 曇 | 26匹 |
8月 8日 | 20時 | 曇 | 31匹(第一池に久しぶりに2匹) |
8月 9日 | 20時 | 晴 | 32匹(飛ぶホタルが多いから、正確ではないかもしれない。水不足でも今のところ元気) |
8月10日 | 20時 | 晴 | 39匹 |
8月11日 | 20時 | 小雨 | 8匹(ホタルは大した雨でなくても雨宿りするか。久しぶりのおしめりで、明日からホタルが増えると期待しよう) |
7月9日から始めた会員によるパトロールも今日で終わる。昨年はせっかく会員が観察に参加しても1匹も見られなかったことがあったが、今年はずっと10匹近くから30匹以上毎日観察してもらえたのは幸いであった。今日は久しぶりに、少しではあったが雨が降った。ホタルも雨宿りしたのか、少なかった。明日は増えることを期待しよう。三貫清水の水も、わずかの雨でかなり増えた。少しほっとしている。 (8月11日) |
8月12日 | 20時 | 曇 | 20匹(守る会会員のパトロールは終わったが、結構観察者が多く、賑やか。やや気温が低い) |
8月13日 | 20時 | 薄曇 | 18匹(暑くなった。無風。21:00頃わが家の庭のクモの巣にひっかかって1匹光っていた。どこから来たのか) |
8月14日 | 20時 | 晴 | 29匹(池の中の4メートル近い高さのハンノキの枝に1匹) |
庭のゲッカビジン(月下美人)が3輪今晩咲いたので、ホタルの観察から帰った21時ごろ観賞した。ところがその時、ユズの木の近くでホタルが光っているのに気が付いたのである。木の枝のないところで静止したままなので不思議だったが、なんとクモの巣にかかったまま光っていたのだった。ホタルはツツジの玉刈りに放したが、夜遅くまで光っていた。それにしてもこのホタルはどこから来たのだろうか。 (8月13日) 昨晩のホタルは今朝4時半明るくなるまで光っていた。(8月14日) |
8月15日 | 20時 | 晴 | 21匹(第一池近くのエゴノキの枝に1匹。昨日と同じ4メートル近くの高い枝) |
8月16日 | 20時 | 晴 | 13匹(ヌルデとフジのトンネルに今日は1匹も見られなかった) |
8月17日 | 20時 | 晴 | 17匹 |
8月18日 | 20時 | 曇 | 15匹(8/17と8/18は、若本が旅行中のため、松井さんに記録してもらった) |
8月19日 | 20時 | 晴 | 11匹(秋風の感じも。スズムシの声が盛ん) |
8月20日 | 20時 | 晴 | 9匹 |
8月21日 | 20時 | 雨 | 1匹(雨でいないかと思ったが1匹。ヨシの奥で雨のかからぬところか。ヒガンバナのつぼみが2本) |
8月22日 | 20時 | 晴 | 22匹(台風一過の三日月。池の水位がようやく平常に) |
台風11号は横浜から千葉へ通過した。風は大したこともなく、雨がかなり降ったので大変助かった。池の水位がようやく平常に戻った。ヒガンバナの花が咲き、秋風の感じもしてきたが、まだまだホタルは元気なことが分かった。いつまでも光ってほしいものだが。 (8月22日) |
8月23日 | 19時半 | 晴 | 13匹(ヒガンバナが咲いた。コムラサキが色づいてきた) |
8月24日 | 19時半 | 晴 | 7匹 |
8月25日 | 19時半 | 晴 | 8匹(第二池のそばで大宮北高校生男女20人ほどが賑やか。去年(8/26)は、「あんまり派手に花火をあげるとホタルが逃げちゃうよ」と、近くにいたホタルを教えたが、今年は近くにホタルがいなくて教えてあげられなかった) |
8月26日 | 19時半 | 曇 | 4匹 |
8月27日 | 20時 | 曇のち小雨 | 4匹(赤木さんのお客さまに3匹は見てもらえた) |
8月28日 | 19時半 | 雷雨 | 0匹(ホタルは雷雨に弱いか。大した雷と雨ではなかったが) |
8月29日 | 19時半 | 晴 | 3匹 |
8月30日 | 19時半 | 晴 | 0匹(残念だが1匹も見られず。気配はすっかり秋だからやむを得ないか) |
8月31日 | 19時半 | 晴 | 1匹 |
9月 1日 | 19時半 | 晴 | 0匹(そろそろ今年のホタルもおしまいか) |
9月 2日 | 19時半 | 曇 | 0匹 |
9月 3日 | 19時半 | 小雨 | 0匹 |
9月 4日 | 19時半 | 晴 | 0匹 |
9月 5日 | 19時半 | 晴 | 1匹(まだいたとは感激。ハンノキの奥のヤナギの木か。スズムシも数少ないが鳴いている) |
9月 6日 | 19時半 | 曇 | 0匹(昨晩のホタルがまだいるのではと期待したがダメだった) |
9月 7日 | 19時半 | 曇 | 0匹 |
9月 8日 | 19時半 | 曇 | 0匹 |
今年のホタルはもう終わりだと思われる。去年私が観察した蛍の総数は486匹であった。今年は934匹になる。この数自体はほとんど意味を持たないが、相対的な比較では役に立つであろう。去年の数には、放流した幼虫から羽化したものが少なくとも数十匹含まれていよう。したがって自然繁殖した数でいえば、去年の2倍以上のホタルが今年生まれたことになる。大変うれしいことである。そして2倍に近いホタルが卵を産んでくれて、自然環境が今年よりうんと悪くならないとすれば、来年はもっと多くのホタルが期待できるのではなかろうか。今年も赤木勇さんには大変ご努力をいただいた。感謝したい。 (9月8日) |