「三貫清水の会」の歩み

●昔の三貫清水は--------------------



 三貫清水の斜面林一帯はかつて豊かな自然が広がり、鴨川で魚取りや水泳もできました。

 昭和30年ごろまで、鴨川の近くの水路や田んぼにはヘイケボタルが飛び、子どもたちはホタル狩りを楽しみました。家の窓を開けておくと、ホタルが入って来ることも。

 奈良町土地改良事業(昭和28年)、大宮北高開校(昭和31年)あたりから、ホタルが少しずつ減少。都市化の波が押し寄せて、昭和40年ごろホタルは姿を消し、林の中はゴミの不法投棄が目立つように。

●「守る会」発足--------------------



 「雑木林や湧き水などがある貴重な自然を残したい」という地域住民の訴えに応え、大宮市は一帯の土地を買い取って公園化する方針を決定。「三貫清水ほたるの里公園(仮称)」構想が動き出しました。

 行政のこの英断に応えて、私たちは平成4年、「三貫清水ほたるの里公園(仮称)守る会」を結成し、翌5年5月から月例清掃活動を開始。環境美化、ゴミ不法投棄パトロール、市当局への意見具申、自然観察会開催などを続けてきました。

●発足当時の模様--------------------



■平成4年11月25日 「三貫清水ほたるの里公園(仮称)守る会」結成
  林、赤柴、安藤さんの3人で設立趣意書を作成し、新藤大宮市長に三貫清水整備事業の積極的推進を求める陳情書を提出。
 この後、自治会の会の一つとして「守る会」が認定された

■平成5年5月9日 第1回清掃
  32人が参加。当初は現状視察だけの予定だったが、参加者の熱意で、ゴミ回収を実施。大量の古タイヤ、ベッド、車の部品、カン、ビンなどトラック約3台分のゴミを撤去。市に連絡し、回収してもらった

■平成5年6月6日 第2回清掃
  道路沿いのかなりの量のゴミを回収

■平成5年7月11日 第3回清掃
  参加者が約70人に増え、運動は盛り上がりを見せる

■平成5年7月29日 第1回総会
  約40人参加。公園づくりについての希望や、今後の作業内容などについて語り合う。市から河川課長など出席し経過説明。会のテーマ曲「ホタルこい」発表

■平成5年8月8日 第4回清掃
  約80人参加。林の中に初めて入ってゴミを回収。ブルドーザーは撤去されていた

■平成5年8月26日 新藤市長に「お願い」を提出
  「歴史的な三貫清水の所在地の確定と表示」「自然林をできるだけ残した公園整備」などを要望

■平成5年11月7日 第7回清掃
  約120人参加。新藤市長も清掃活動に出席。市長が三貫清水整備基本構想図を発表


●「会費なし」「いつでも誰でも気軽に」 --------------------



 「会費なし」「いつでも誰でも気軽に」 が会のモットー。和気あいあいと運動を持続。各人の特技、個性、持ち味を生かして、自然観察、ホタル復活、焼き芋づくり、里山保全などに貢献。多彩な活動を行ってきました。


■ならせどの里山で遊ぼう会■
 子供会とタイアップして毎年実施。
■水環境フェア■
 大宮市の推薦を受けて平成12年8月、建設省が主催する「水環境フェア」に参加。

■ホームページ■
 「水環境フェア」参加に合わせて、三貫清水の会のホームページを作成。

■総合学習■ 里山は自然の宝庫。別所小、日進北小、つばさ小の総合学習の場に。夏は社会福祉協議会との連携でボランティア体験受け入れも
■県から表彰■
 土屋県知事から 「三貫清水の会」 に地球環境奨励賞が贈られました。

■市から感謝状■
 大宮市から「三貫清水の会」に感謝状。市内の環境ボランティア団体で表彰されたのは「三貫清水の会」を含め2団体だけ。

■世代間ふれあい事業■
 大宮市の「世代間ふれあい事業」の協賛を受け、自然の中で年輩者が子供たちに昔懐かしい遊びを伝授。

■オリジナル愛唱歌■
 平成12年春、「三貫清水の会」のオリジナルの愛唱歌「三貫清水四季の歌」が誕生。
 作詞は奈良原学、作曲は佐藤猛さん。




●会の名称を「三貫清水の会」に変更--------------------



 公園は「仮称・三貫清水ほたるの里公園」として整備が進められてきましたが、さいたま市は平成14年、公園の正式名称を「三貫清水緑地」とすることを決定しました。これに伴い、当会も同年11月、名称を「三貫清水ほたるの里公園(仮称)守る会」から「三貫清水の会」に変更。斜面林、湿地だけでなく、鴨川も視野に入れ、多様な生物が共生する自然の保護・創生を目指して、活動を進めています。

●月例の清掃活動が200回に--------------------



 平成5年5月から始まり、雨の日や雪の日も基本的に毎月1回続けてきた清掃活動は、平成21年12月で通算200回になりました。